米国の超大物サマーバードの故障で日本馬同士の争いが濃厚なJCダート。ヴァーミリアンは今年も交流G1・2勝を積み上げ、史上最多のダートG1・8勝。ここを勝てば、昨年カネヒキリに奪われたJRA賞最優秀ダートホースのタイトルを取り戻すことはほぼ確実。落とせない一戦だ。
JBCクラシックで史上最多となるG1・8勝目をマークした7歳馬ヴァーミリアン。久保助手は「そんなに(レース数を)使っていないせいか馬はまだまだ若い。以前はゲートに入る時にチャカチャカする面を見せていたけど、今は安定している」と評価する。
一時は衰えを指摘する声もあった。昨年のJBCクラシックを制した後はJCダート、東京大賞典、フェブラリーSと3連敗。特に年明けのフェブラリーSは中団のまま見せ場なしの6着。1、2着は4歳のサクセスブロッケン、カジノドライヴ。生きのいい若い世代に完敗を喫して「もう終わった」の声も出ていた。
だが、己の力で雑音をかき消した。4カ月ぶりの帝王賞を完勝。前走はワンダースピード、マコトスパルビエロの2頭が先行して終始、間を割れない苦しい流れを鮮やかなイン強襲で切り抜けた。好位追走から早めに抜け出す必勝パターンは健在。武豊も「強い競馬だった」と、あらためてその力を認識した。
1週前追いは坂路で4F53秒6~1F13秒6。水分を含んだ重めの馬場で、攻め駆けしないタイプであることを考えれば上々の動き。「単走では本気で走らないからね。2週前に併せ馬をやって体は仕上がっているので、今週も坂路で単走の予定」と久保助手。これだけの実績と経験を兼ね備えた馬だけに、調整方法は心得ている。「全力を出し切れば、おのずと結果は付いてくると思うよ」と自然体を強調した。
東京から阪神に舞台が移った昨年のこのレースでは3着止まり。屈腱炎から復活したカネヒキリの引き立て役に回ったが、道中は他馬と接触して後方12番手まで下がりながら、頭、首差まで盛り返した。初めての阪神ダート、慣れない追い込み策で地力の高さを見せつけた。世代交代の波は確実に押し寄せているが、まだ譲らない構えだ。

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