朝日杯FS追い切り(16日) 東京スポーツ杯で息詰まるデッドヒートを展開した2頭が16日、栗東で追い切られた。デビュー3連勝で2歳王者を目指す“バラ一族”期待の星、ローズキングダムは、ニューポリトラックコースで併せ馬。主戦の小牧を背に、文句なしの瞬発力を披露、この一族念願のG1奪取に王手をかけた。2着に惜敗したトーセンファントムは、坂路でマイペースの調整。課題だった力みがとれ、見守った松田国調教師を喜ばせた。
小牧が軽くゴーサインを送った瞬間だった。ニューポリトラックコースのラスト1ハロン。ローズキングダムは、パートナーのナイスミーチュー(2歳未勝利)を並ぶ間もなく抜き去った。差は広がる一方。スピード感あふれるアクションで、一気に駆け抜けた。
最後は2馬身差。6ハロン81秒6。ラスト1ハロンは12秒0。「言うことなし。ゴール前はある程度、気合を入れたけど、反応は良かった。とにかく乗りやすい。『小牧もほれぼれしている』と書いておいて」。小牧は手綱から伝わった感触に、上機嫌だった。見守った橋口調教師も満足そうに話した。「そんなに速い時計を出す馬ではないけど、追ってからの反応は良かった。大きく変わったところはないが、バランスが良く、身のこなしが柔らかい」。
能力の高さは、デビュー2戦で実証済み。ハイクラスのメンバーがそろった新馬戦のラスト3ハロンは33秒9。いきなり重賞挑戦となった東京スポーツ杯2歳Sも、34秒0。2戦2勝のトーセンファントムとの叩き合いを制した。指揮官は「前走は鋭い脚を使って、しぶといレースをしてくれた。サッと好位につけて抜け出すあたり、競馬センスがある」とべたぼれだ。
園田所属時代に小牧は、母ローズバドに騎乗。01年報知杯FRに優勝するなど、レースに5回またがっている。「母親はかかり気味に行くところがあったけど、この馬はすごく乗りやすい」。一段とスケールアップした“息子”の動きに、期待は膨らむばかり。
フランスから輸入された繁殖牝馬ローザネイから派生するバラ一族が手にした重賞は15。数々の重賞ウイナーを輩出しながら、G1だけは縁がない「注目されている血統。重賞はたくさん勝ったけど、G1は届いていない。今回は最大のチャンス」と橋口師。バラの遺伝子が代を経た今、“ジンクス”は破られようとしている。

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