東西トレセンで追い切りがあり、栗東ではイコピコが坂路4ハロン53秒6、終い12秒0と素晴らしい切れを見せた。美浦ではマツリダゴッホが蛯名騎手を背にダートコースで6ハロン81秒9、3ハロン38秒5−12秒4を馬なりでマーク。ラストランに向けて態勢を整えた。マイネルキッツはポリで5ハロン64秒1、終い1ハロン12秒0の好時計。乗り替わりで手綱を取る三浦騎手は有馬初参戦に意欲満々だった。
ラストランに派手さは要らない。ベテランらしい、渋みさえ感じさせる追い切りを披露して、マツリダゴッホが競走生活の集大成に臨む。
「調教に乗ったのは久しぶりでしたが、いい雰囲気でした。今年は、勝った一昨年と同じステップですし、いい形で行けると思います」
蛯名騎手もベテランらしい静かな口ぶりで感触を表現した。南D(ダート)コースでの単走追い。前半は前向きさを抑えるようにじっくり乗って、直線でスッと脚を伸ばす。6ハロン81秒9、38秒5−12秒4。馬場の大外を回って、悠然と水準以上の時計を出した。今回で3年連続の有馬記念参戦。過去2年との比較を問われた蛯名騎手は、言葉を選びながら自分なりの評価を口にした。
「一昨年は、“デキだけならどの馬にも負けない”と思っていました。昨年(12着)はジャパンCの目に見えない疲れがあったかと思います」
見た目も時計も豪快だった一昨年の追い切りに比べると、見劣りは否めない。だが、不得手な左回りのJCで激走した後の回復に手間取った昨年よりは上と言える動き。国枝調教師も「やれば動く馬だけど、これで予定通り。いい感じです」とうなずく。
全10勝中8勝を中山で挙げてきた“中山マイスター”のマツリダゴッホ。重賞6勝も全てこのコースだ。思い出が詰まった舞台で迎えるラストラン。主戦は静かに闘志を燃やす。
「一昨年に勝った時はビックリしましたが、あれから2年間、関東の期待を背負って頑張ってきましたからね。とにかく無事に終えることが一番。その上でいい競馬ができれば…と思います」
今後の種牡馬生活に向けて元気に送り出すことが大きな目的だが、関東の屋台骨を背負ってきた自負もある。簡単に世代交代を許す気はない。

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