「有馬記念・G1」(27日、中山)
09年の競馬界で最も輝きを放ったジョッキーが、最後の大一番もきっちりと決める。ファン投票2位、出走馬中では1位の支持を集めた、ブエナビスタと新コンビを結成する横山典弘騎手(41)=美浦・フリー=だ。この秋、勝利の女神が振り向いてくれずにいる2冠牝馬をどうエスコートしてみせるのか。初のダービー制覇(ロジユニヴァース)を含めてG1を3勝した関東の名手の手綱さばきに、熱い視線が注がれる。
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競馬ファンにとって09年で最も記憶に残った騎手といえば、この人を置いてほかにはいないだろう。横山典弘。“ノリ”の愛称で親しまれている41歳のベテランの存在感は今年、際立っていた。
ロジユニヴァースでダービーを初制覇。デビュー24年目、15回目の挑戦で栄冠をつかむと、スタンドを埋め尽くした観客に深々と頭を下げた。7月の札幌では家族が見守る前で史上5人目、現役2人目となるJRA通算2000勝を達成した。
秋に入ると、輝きはさらに増していく。天皇賞・秋でカンパニーを史上初の8歳馬G1制覇へ導き、続くマイルCSでは同馬の引退の花道を見事に飾った。今月に入っても世界の名手が集うWSJSで優勝。今年はまさに“ノリ・イヤー”で手綱さばきがさえ渡った。
だが、本人には特別な思いはないという。「いつもと同じことをしていて、たまたま結果が良かっただけ。おやじ(71年春の天皇賞などを制した横山富雄元騎手)が死んだからといって何も変わらないしな。勝った時はもちろんうれしいけど、それをずっと引きずっているわけじゃない。だから、今年とか来年とかは関係ないって」。数々の勝利にもおごることなく、競馬に対して真摯(しんし)に向き合う姿勢が横山典を支えている。
今年はもうひとつ、大きな大きな仕事が待っている。ファンの夢を乗せて走るグランプリに、2冠牝馬ブエナビスタとの新コンビで臨むことになった。「何も言う必要のない馬。いいチャンスをもらった。うれしい限りだよ」と周囲への感謝の気持ちを表した。
ブエナとどんなコンタクトを取るのか。ファンの興味はそれに尽きる。「古馬が相手だし(最後の直線の短い)中山では買わないという人もいるだろう。あと“寒い時季はどうなんだ”っていうのも気になる。まあそこは、ほかの馬にも言えることだけどな」と慎重な言葉が口を突いて出た。
しかし、チラリと自信ものぞかせる。「ファン投票で(出走馬中)1番の馬だから。勝つに越したことはないけど、とにかくみんなが納得するレースを見せたい。自分の仕事をきっちりするだけだよ。お客さんには盛り上がってほしいね。中山はイルミネーションもきれいだから、とにかく大勢、レースを見に来てほしい」。大観衆の前で最高のレースを披露したい-。競馬の神様を、今年最後の大一番でもほほ笑ませる。

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