「朝日杯FS・G1」(20日、中山)
ついにバラ一族からG1馬が誕生した。1番人気ローズキングダムが、一族の武器である瞬発力を発揮し完勝。無傷3連勝で2歳王者に輝いた。小牧、橋口師、馬主のサンデーレーシングは、1番人気で3着に敗れた04年ペールギュントの雪辱を果たした。2着は2番人気のエイシンアポロンで、3着には5番人気のダイワバーバリアンが入った。
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役者が違った。ローズキングダムは自慢の切れ味で先に抜け出したエイシン アポロンを捕らえると、一気に後続馬を突き放す。まさに完勝。力でねじ伏せて、無敗で2歳王者に輝いた。
好スタートからスッと中団に下げて、小牧は仕掛けるタイミングを待った。4角から徐々に進出しゴーサインを出すと、あとはゴールを目指すだけ。「自分の馬が一番強いと思って乗った。いつでも先頭に立てる感じだった」。自信に満ちあふれた表情で主戦は振り返る。
母ローズバド、祖母はロゼカラー。重賞覇者が並ぶ“バラ一族”だが、母の2着3回をはじめ、G1には手が届かなかった。「何としても大きな勲章がほしかった」と橋口師。小柄な体形、馬群にもひるまない根性と瞬発力、母から受け継いだ能力で見事に師の願いをかなえた。
レース前に、師はデイリー杯2歳Sの覇者リディルを見舞った。有力候補に名を連ねながら骨折。無事なら同じ舞台に立つはずだった。「診療所に入院しているので、応援してくれよと言ってきた」と話した。
小牧にとっては忘れ物を取り返す、リベンジの舞台だった。中央へ移籍した04年、同じ橋口厩舎のペールギュントで参戦、1番人気で3着に終わった。「脚を余したレースをして悪い面が目立った。あそこから運が下がった」。園田のエースとして君臨した男のプライドは傷つき、騎乗にも迷いが出る日々。ペールギュントの背中を譲っただけでなく、結果を残せずに悪循環へと陥った。それでも、昨年の桜花賞(レジネッタ)でG1初制覇を決めると、今年はこの勝利で自己最高の年間重賞8勝目。「G1を勝ってから気持ちが楽になった。ケガもないし、力まずに乗っている」。輝きを取り戻した42歳のベテランの表情が緩む。
来年、キングダムは皐月賞トライアルからの始動を予定する。「こんなに素晴らしい馬にまたがることができ、すごくうれしい。一戦一戦取りこぼさないで、ダービーに行きたい。涙はダービーまで取っておきます」と小牧。府中の頂上決戦は、橋口師にとっても悲願のタイトルだ。2歳王者から真の王者へ。王道を突き進み、大きなバラを咲かせ続ける。

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