あのディープインパクトに続けと、とびきりの良血馬が、有馬記念・G1(27日、中山・芝2500メートル)の主役の座を狙っている。ディープと同じ栗東・池江泰郎厩舎に所属するフォゲッタブル(牡3歳)。母は、1997年の年度代表馬エアグルーヴだ。5日のステイヤーズSを制し、勢いに乗っての参戦。鞍上には、フランスの勝負師ルメールを迎え、激走ムードが漂う。
名血の遺伝子が、覚醒(かくせい)しつつある。夏まで条件戦で足踏みしていたフォゲッタブルが、秋になって大変身。セントライト記念3着で菊花賞の出走権を確保すると、本番では鼻差の2着。今月5日のステイヤーズSで、見事に重賞初制覇を遂げた。
母は、97年天皇賞・秋を制し、年度代表馬となったエアグルーヴ。姉のアドマイヤグルーヴは、03、04年のエリザベス女王杯を連覇した。「こちらが思っていた以上に成長している。レース後の回復が早くなったし、ハードな調教をこなせるようになった。やはり、血統が本格化してきたんでしょう」と池江泰郎調教師は良血の“開花”を宣言した。
シャープな顔立ちに、身のこなしの柔らかなフットワーク。運動後には「DI」の文字が入った黄色地の馬服をまとっている。あのディープインパクトが愛用した馬服を与えられたのは、それにふさわしい馬に成長したからだ。
「体のサイズは違うけど、全身を使って余裕ある走りをするようになってきた。ディープインパクトと雰囲気が似てきて、錯覚を起こすような感じ」。池江師は、かつて手がけたスターホースの名を出して目を細めた。
調教担当の池江助手に、日々の世話をする市川厩務員。スタッフも“チーム・ディープ”と同じだ。「最近は、走るフォームがきれいになってきたし、心臓が強くなった」と池江助手が変化をアピールすれば、市川厩務員も「思った以上に良くなってきた。頑張ってほしい」と期待を膨らませた。
生まれた時から、期待は大きかった。その頃、サンデーサイレンスの後継種牡馬の筆頭と言われたダンスインザダークと交配されて誕生したフォゲッタブルは、07年セレクトセール(1歳馬)において、2億4500万円の高値で落札された。購買者は金子真人氏。「チーム・ディープインパクトで、凱旋門賞を目指しましょう」という声が上がったほどだった。
「来年の春になれば、と思っていたが、馬っぷりが変わってきた」と池江師。グランプリという夢舞台で、究極の良血馬が、最高の輝きを放つ。
◆池江泰郎調教師と有馬記念 過去の成績は【2226】。87年メジロデュレン、06年ディープインパクトで優勝した。87年は今回と同じく12月27日に行われた。

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