役者が違った、と言うべきか。バラ一族の悲願を背負ったローズキングダムが期待通りの内容で1番人気に応え、2歳王者に輝いた。母ローズバド、祖母ロゼカラー。近親にもローゼンクロイツ、ヴィータローザ、ロサードなど、バラにゆかりのある名前を持つ重賞覇者が名を連ねるが、これまで届きそうで届かなかったG1タイトル。母から受け継いだ小柄な馬体(446キロ)で、朝日杯FSでは馬群にひるまない勝負根性と非凡な瞬発力を見せた。
舞台の中山マイルは2コーナーまでの距離が短く、ポジション争いが激しい。小牧は「スタートだけ気を付けた」と話したが、好発さえ決めれば後は危なげなし。中団で折り合いながら追走し、仕掛けるタイミングを待って、抜群の手応えで他馬をねじ伏せた。調教でも手綱を取っている小牧はパートナーの性格を熟知していた。
「凄く落ち着いているし、レースでもどっしりしている。乗り味がいいしスピードも瞬発力もあるよ」と絶賛する。レース後には、口元を引き締めて「一戦一戦取りこぼさないように、ダービーに向かいたい」と話した通り、クラシックへの視界は極めて良好だ。早くも“伝説”と呼ばれつつある10月25日、京都芝1800メートルの新馬戦で2着に下したヴィクトワールピサがラジオNIKKEI杯2歳Sを順当勝ちしたことからも、春はこの2頭が牡馬クラシック戦線を引っ張っていくことになる。
ローズキングダムのこの春の具体的なローテーションは決まっていないが、皐月賞トライアルのどれかを使って皐月賞→ダービーの王道を歩む。朝日杯FSのゴール前で「ダービーという文字が頭の中で広がったよ」と話す橋口師の期待に応え、悲願のダービー制覇の夢をかなえるか。

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